装飾クロムめっきは、金属製品・部品を光沢に優れた綺麗な輝きを持つ表面に仕上げます。
クロムめっき本来の(1)光沢性(2)高硬度(3)耐食性という特長がありますが、装飾クロムめっきは、密着性を有する各種の下地めっき工程を施すことにより外観の装飾的な価値をいっそう高めます。
通常は下地に銅めっき、光沢ニッケルめっきを行って密着性を高めてから最上層にクロムめっきとなりますが、前もって素材にバフ研磨の工程を加えますと、美しい輝きを持つ金属光沢の表面(鏡面光沢)に仕上がります。
装飾クロムめっきは、鉄の他にも銅、銅合金(真鍮など)に加えて亜鉛ダイカストも承っております。
装飾クロムめっきは、光沢のニッケル・クロムめっきだけではありません。
他にも半光沢、梨地仕上げ、サチライト仕上げと、使途目的にあわせて光沢度・色調・模様(ヘアラインなど)は多様です。
1.梨地仕上げ&サチライト仕上げ
梨地仕上げは、製品の素地に金属などの混合粒子を吹きつけ(ショットプラスト)処理した上での、艶(つや)消し仕上げのニッケル・クロムめっきです。
他方、サチライト仕上げは、それとは異なって、めっき工程に半光沢ニッケルめっき、さらにサチライト・ニッケルめっきを加えた上でのクロムめっきとなります。
半光沢かつ梨地状の独特の艶消し仕上げで、建築金物、自動車部品などに利用されています。
2.亜鉛ダイカストへの電気めっき
亜鉛ダイカストは鉄や銅などの金属とは異なりますので、独自の工程を組み込んでいます。
亜鉛めっき(クロメート皮膜処理)、装飾クロムめっきの光沢仕上げ、サチライト仕上げと各種に及んでいます。
3.ニッケルめっきの効果
ニッケルは化学的に安定した金属ですので、ニッケルめっきは強い耐食性があります。また銀白色系の光沢が得られますので装飾めっきとして、さらに下地めっきとしてニッケルめっきは広く用いられています。
なお小物用には、バレルめっきを用意しています。
ニッケルめっきは鉄、銅、銅合金(真鍮)に適していますが、ステンレスも独自の前処理を施して行っています。
4.クロムめっきの効果
クロムめっきを施した表面は、光沢にすぐれ、加えて硬度が高く耐摩耗性、耐食性、耐熱性さらに密着性にすぐれています。
装飾クロムめっきでは、ニッケルめっきの保護膜にもなっています。
綺麗に輝く金属光沢および色調は保たれますので、クロムめっきは装飾めっきでの最終仕上げといえます。