ステンレスは、鉄を主成分にしてクロムやニッケルを含有させた合金です。
クロムを11%以上含んだ鋼がステンレスと定義されますが、クロムが11%以上になりますと、錆びにくさ(耐食性)が飛躍的に向上するからです。
ステンレスとは、Stainless(=錆びにくい)Steel(=鋼)の略称で「錆びにくい鋼」ということです。
鉄の赤錆は、大気中の酸素と鉄が結合して出来る現象ですが、鉄にクロムを11%含有させますと錆びる現象が止り、不動態化という状態になります。
クロムが11%以上で多くなればなるほど、不動態化は安定的になってきます。
それは、クロムが大気中の酸素と結びついて表層に、ごく薄い酸化皮膜=不動態膜が生成されるからです。
この不動態膜は、きわめて強固で緻密ですが、表層に生成されるだけで内部に浸透しない性質をもっていますので、錆びにくい現象にステンレスはなっているのです。
ステンレスは素材のときは「錆びにくい鋼」ですが、現実には、複雑な製品の製造過程などで表面状態が変化させられ、錆びやすくなっています。
ですから表面処理で不動態膜を再度生成させて、本来のステンレスの状態に回復しています。
*クロム系ステンレス(強磁性)・・・・・・SUS410(13Cr)、SUS430(18Cr)
*クロム・ニッケル系ステンレス(非磁性)・・・・・・SUS304(18Cr−8Ni)
〈注〉Cr、Niの数字は含有率を示します
≪ステンレスの表面処理≫・・・・・・不動態化処理、電解研磨・化学研磨、酸化着色の3項目を紹介しています。